夢降る夜と私小説。

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夕陽の部屋

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病室に入ると、幼い女の子が慎司を見つけて嬉しそうにパタパタと駆け寄ってくる。
「ぱぱ!」

「麻衣、いい子にしてたかい?」

元気にうなずく娘の髪をそっと撫でて、ベッドの前に置かれた椅子に掛ける。
「起きたりして大丈夫なのかい? 唯」

「・・・ええ。今日はとっても気分がいいの。先生もいいんじゃないかって・・・」

「そう。それは良かった」


「外は暑いんでしょうね?」

「ああ」

「もう、夏ね・・・」

唯は外を見て遠い目をした。
「どうしたの? なんだか、元気ないみたい」

「・・・。そんなことないよ」

通り雨の後、きれいに晴れた空。白い部屋が紅く染まる夕暮れが迫っていた。
by yumefuru | 2011-02-25 21:44 | 小説 STILL BLUE
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夢が届けてくれた物語。そのかけらをひろいあつめて綴ります。


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