夢降る夜と私小説。

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いつものように

「最近さくらちゃん、音楽室だって?」
パート練習の休憩に、青木祐介が話しかけてきた。

「・・・」

「慎司先生といいカンジでセッションしてるって」

「ふーん」

「お前は、最近、副部長とつき合い出すし。どうなってんの?」

「知るか」

『・・・しょうがないだろ。あんなの聴かされたら、俺なんか入る余地無しだって』

あの日、確かに俺は、副部長から誘われていた。でも、行くのは止めたんだ。
少し遅れたけど、いつものようにさくらのいる音楽室に向かった。
けど、あんな息もぴったりで・・・。あんないい音出して・・・。

あいつのサックスは俺の子供の遊びみたいなのとは全然違ってた・・・。

「さくらちゃん、お父さんの事もあるし、案外、年上のオトコに憧れてたりして」

「・・・」

「だとすると可哀相」

「え? 何で?」

「知らないの? 慎司先生って結婚してんだよ。妻子持ち。報われないよ」

「・・・」

「お前、全然興味ないからな。まぁ、俺は、お前が真面目に部活に出るようになったのは、嬉しいけどね」
by yumefuru | 2010-05-12 12:31 | 小説 STILL BLUE
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夢が届けてくれた物語。そのかけらをひろいあつめて綴ります。


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